飯山由貴『あなたの本当の家を探しにいく/ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく』

2014年9月13日(土)- 11月1日(土)※会期延長しました。
オープニングレセプション:9月13日(土)18:00-21:00

・会期中は、月曜日 17~23時および金・土・日曜日 13~19時のオープンとなります。
・本展のオープニングレセプションを、初日の9月13日(土)18~21時に開催します。作家も在廊します。
・なお、初日も通常通り13時からオープンいたします。
展示風景
作品
ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく
2014
ポジフィルムのスライド95枚より
hidden names
2014
シングルチャンネルビデオ、サウンド 46分03秒
ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく
2014
ポジフィルムのスライド95枚より
ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく
2014
ポジフィルムのスライド95枚より
あなたの本当の家を探しにいく
2013
シングルチャンネルビデオ、サウンド 33分52秒
手紙
2014
便せん4枚、カーボン紙の転写、額縁 50 x 50 cm
※妹が入院していた際に、患者への規則を割とゆるく解釈し、見ていてくれた看護士の方へ、作家が宛てた質問の手紙。
complex
2014
写真8点、絵葉書7枚、絵葉書の包み 50 x 50 cm x 2点、26.5 x 10.5 cm x 2点
※医療記録が保管されている「小峰研究所」の写真や絵葉書(すべて小峰和之氏より貸与)。
  • (English) ※1926年に日本でつくられた精神病院を舞台にした無声映画「狂つた一頁」(The Page of Madness)に新しい伴奏をつけてもらう試みと、無声映画「狂つた一頁」に関して行った、ワークショップの記録。

  • (English) ※1926年に日本でつくられた精神病院を舞台にした無声映画「狂つた一頁」(The Page of Madness)に新しい伴奏をつけてもらう試みと、無声映画「狂つた一頁」に関して行った、ワークショップの記録。

  • (English) ※1926年に日本でつくられた精神病院を舞台にした無声映画「狂つた一頁」(The Page of Madness)に新しい伴奏をつけてもらう試みと、無声映画「狂つた一頁」に関して行った、ワークショップの記録。

無声映画にまつわるいくつかの共同制作とワークショップの記録
2014
シングルチャンネルビデオ、サウンド 3時間58分41秒
ワークショップのドキュメント2点、Ed. 3 (A.P. 1)
私を知る人に会いたい
2014
レーザープリント 25.5 x 18 cm x 1点、40 x 40 cm x 1点
※今年の始めにニュースになった認知症患者に関する記事と、厚生労働省ウェブサイト上の、各市町村のページに掲載された、身元不明で自分の家を忘れてしまった人々の顔写真。
  • 『指示書』2014、ムーミンのメモ帳、ペン、23.3 x 32.5 cm *飯山の妹が執筆

  • 『私が幸せだったころ』2014、アルシュ紙、水彩、25.8 x 32 cm

『指示書』『私が幸せだったころ』
2014

※ムーミンの映像作品を制作するにあたって、妹によって書かれたムーミンの物語の指示書、作家によって描かれたドローイングなど。
  • 左『9月5日ごろのメモ』、紙、鉛筆、32.3 x 43.3cm
    右『2013年12月のメモ、ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく』Eダイレクト、プリント6枚、紙5枚、ボールペン、72.3 x 102.5 cm

『9月5日ごろのメモ』『2013年12月のメモ、ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく』
2014

※ムーミンの映像作品を制作するにあたって、作家が妹にインタビューを行った際の書き取りやメモ書き、撮影中のスチルイメージやその他ドローイングなど。
  • 左『ムーミンのドローイング』紙、鉛筆、29.8 x 21 cm *飯山千夏が執筆
    右『9月5日ごろのメモ』、紙、鉛筆、32.3 x 43.3 cm

『ムーミンのドローイング』『9月5日ごろのメモ』
2014

『アルバムから』
2014
写真 x 2点 各17.5 x 12.5 cm
作家が妹にインタビューを行った際の書き取りの一部


ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく
2014
シングルチャンネルビデオ、サウンド 21分17秒
スライド撮影集の記録映像
ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく
2014
ポジフィルムのスライド95枚、スライドプロジェクター
ムーミン一家になって、幻聴や幻覚を再現する試みのスライド。「本当の家を探しに行く」試みを整理していく過程で、最近みている幻聴や幻覚の細部を作家は聞くことになる。それはムーミン一家と一緒に、自分は妖精になって海の観音さまに海の平和をお祈りしに行くという内容だった。床のモニターは『あなたの本当の家を探しに行く』2013
プレスリリース
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waitingroomでは2014年9月13日(土)~10月19日(日)まで、飯山由貴 個展『あなたの本当の家を探しにいく/ムーミン一家になって海の観音さまに会いにいく』を開催いたします。waitingroomでは初の個展となる飯山は、2013年に東京藝術大学大学院美術研究科油画科を修了した、若手アーティストです。本展では、飯山の家族の1人が持つ幻聴、幻覚を、家族で再現する試みの記録映像作品、精神病院の医療記録についての映像作品、その他ドローイングや記録資料などをインスタレーション形式で展示します。

作家・飯山由貴について

1988年神奈川県生まれ。2011年に女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻を卒業し、2013年東京藝術大学大学院美術研究科油画科を修了。ネットオークションなどで買い集めたスクラップブックをもとに、映像作品や手編みのタペストリー等から構成されるインスタレーション作品を制作しています。スクラップブックの内容から、作者や過去の人物、事件の痕跡を探し、探索していく中で得たイメージやエピソードを収集し、作家自身の視点を交えて作品を組み立てていくのが制作の特徴です。近年の展覧会として、2013年個展『湯気 けむり 恩腸』(実家 JIKKA / 東京)、2013年グループ展『28zaki 海浜博覧祭』(旧玉ノ井旅館 / 福岡)、2014年グループ展『identity X』(nca l nichido contemporary art / 東京)、2014年グループ展『First Attacks!』(Space Wunderkammer / 東京)が挙げられます。

家族の1人が持つ幻聴や幻覚を出発点に、精神にまつわる様々なエピソードを探る

近年、匿名のスクラップブックを題材に、ハンセン病や関東大震災など歴史的史実を主題として取り扱うことが多かった飯山だが、今回は自身の家族の1人(妹)が持つ幻聴や幻覚がテーマの出発点となっています。個人的な体験をもとに、精神病の歴史や周辺の様々な事例をリサーチして行く中で、汲み上げられていくドキュメンタリーと、作家自身が見る世界の交差点を表現します。そもそも私たちの日常と、こういった問題をもつ人々の日常には、劇的な違いはないのかもしれないということに、ふと気づかされるかもしれません。展示全体としては、「本当の家を探しに夜の散歩に出かける」映像作品、妹が見ている「ムーミン一家と一緒に海の観音さまに会いにいく」という幻覚を家族6人で再現するスライド作品とそれにまつわるテキスト・音声、かつて東京にあった精神病院の医療記録(患者たちの症例誌)についての映像作品、1926年に日本で作られた無声映画を複数の視点から考える小さなプロジェクトの4作品を核に、作家がききとりした幻聴や幻覚のメモ、実際にやり取りされた手紙、ワークショップの記録などのドキュメントを共に展示致します。

できることできないことが人それぞれある、そしてそれを互いに補うこともできる

「幻聴や幻覚をもつ家族が具合が悪くなったとき、わたしたち家族は多少うんざりしつつ、戸惑いつつ、落ち着くのを待つ。彼女はどうしてこうなるのか考える、さっきの会話が気に障ったんだろうかと。 それもあるのかもしれないが、傍目には何もなくても具合が悪くなる時もある。よくわからない。彼女はあの有名なアーティストのように自分に見えるものを絵画にしたりはできない。『アウトサイダー・アート』とよばれる芸術の展覧会が開かれていたりするけれど、精神に障害(この言葉はあまりつかいたくないが)を持つ人が、幻覚や幻聴を「表現」できること自体がもしかしたら希有なことで、表現の仕方もうまく見つからないまま、投薬し生活している人のほうが大多数なのかもしれない。 私自身は大学で絵を描いたり造形する人に囲まれて生活していたから、感覚が麻痺していたんだと思う。だれでも何かしら作ったりできると思いこんでいたが、そうでもなくて、できることできないことが人それぞれあると、妹と数年ぶりに一緒に暮らしてみて気づく。そして、それを互いに補うことができることも。(飯山由貴・「あなたの本当の家を探しにいく」テキストより)」

写真や映像、実際の記録やそれにまつわるテキスト・オブジェなどを通して、一つの主題を多角的に考察していく中で創作される、作家独自の視点のレイヤーが重なりあったインスタレーション空間を、是非体感しにいらして下さい。

展覧会のためのノート

展覧会にあわせて制作された冊子「展覧会のためのノート」には、作品に関する資料やテキストの書き起こしがまとめられており、展覧会のカケラをお持ち帰りいただけるような形になっています。また、ギャラリーには展示されていない、作家が看護師さんに宛てた手紙への、看護師さんからのお返事が掲載されています。

手紙に始まり手紙に終わるノートとなっています。
展覧会とあわせて是非、ご覧下さい。
飯山由貴「展覧会のためのノート」
発行日:2014年9月19日
発行:waitingroom
ページ数:32ページ(表紙含む)
価格:800円(税込)

アーティスト
飯山由貴
Yuki IIYAMA