大久保紗也 『a doubtful reply』

2018年2月24日(土)- 3月25日(日)
オープニングレセプション:2月24日(土)18:00-20:00

・会期中は、水・木・金・土 12~19時、日曜 12~18時のオープンとなります。(定休日:月火祝)
・本展のオープニングレセプションを、展覧会初日の2月24日(土)18~20時に開催します。作家も在廊いたします。なお、初日のレセプション前の時間帯も、通常通り12時から展覧会はオープンいたします。
展示風景
作品
The short answer is no and yes
2018
oil and acrylic on canvas panel 1940 × 1303 mm
Sitting an’ thinking
2018
oil and acrylic on canvas panel 1620 × 1303 mm
His drawing drawing
2018
oil and acrylic on canvas panel 1620 × 1303 mm
Pointing finger
2018
oil and acrylic on canvas panel, 333 × 242 mm
It was impossible to guess whether it meant ‘yes’ or ‘no’
2018
oil and acrylic on canvas panel 910 × 727 mm
Holy portrait
2017
oil and acrylic on canvas panel 273 × 220 mm
She is there
2018
oil and acrylic on canvas panel 803 × 652 mm
She’s dropping
2017
oil and acrylic on canvas panel 803 × 652 mm
Cracked pot
2018
oil and acrylic on canvas panel 273 × 220 mm
Portrait
2018
oil and acrylic on canvas panel 455 × 380 mm
Melancholy
2017
oil and acrylic on canvas panel 455 x 455 mm
To be done by one person
2017
oil and acrylic on canvas panel 455 × 380 mm
Cross your arms
2018
oil and acrylic on canvas panel 410 x 318 mm
His drawing drawing
2017
oil and acrylic on canvas panel 530 × 455 mm
She's lying
2017
oil and acrylic on canvas panel 530 × 455 mm
Mr.A was sleeping
2018
oil and acrylic on canvas panel 1167 × 910 mm
プレスリリース
PDF

WAITINGROOM(東京)では、2018年2月24日(土)から3月25日(日)まで、大久保紗也の個展『a doubtful reply』を開催いたします。2017年に京都造形芸術大学大学院を修了したばかりの大久保にとって、本展が初の個展開催となります。自身の制作を、「平面空間におけるモノや人の存在、実存について探る行為」と語る大久保は、輪郭線として表現される記号的なイメージと、物質感を伴うフェノメラルな像のうねりという、二つの分離した要素を共存させた絵画を制作しています。本展では、大小様々なサイズの絵画作品14点、すべて本展のために制作された新作の発表を行います。

作家・大久保紗也について

1992年福岡県生まれ、2017年に京都造形芸術大学大学院芸術専攻ペインティング領域を修了。現在は京都を拠点に活動中。近年の展覧会として、2017年グループ展『美大生展2017』(SEZON ART GALLERY、東京)、2016年グループ展『movement 2016 – 1st movement -』(ARTZONE、京都)、2015年『HERE I AM KUAD x TUNA交流展』(Na pai Art Gallery、台北・台湾)、グループ展『HOP2015』(Galerie Aube、京都)などが挙げられます。まだ展示歴の少ない92年生まれの新生でありながら、2017年秋に参加した公募グループ展『第4回CAF賞入賞作品展』(代官山ヒルサイドフォーラム、東京)では白石正美賞を受賞し、その作品が大きく注目されました。

異なるレイヤー同士が合わさり、変容し、転換される場としての絵画

ありとあらゆる探求がやり尽くされ、「絵画は死んだ」と言われて数十年たった今でもなお、絵画は常に新たな可能性を秘めたジャンルとして、多くのペインターを魅了し続けています。90年代生まれの大久保紗也もまた、多ジャンルが乱立する現代美術の世界の中で、絵画という最も古くかつ最も可能性を秘めたジャンルを選び、その探求を続ける若手ペインターの一人です。

絵画を、物体としても平面としても捉えられる曖昧なモノとして扱う大久保は、究極の平面表現としての輪郭線と、物質感を伴う厚塗りにした絵の具で描く抽象的なイメージを、画面上に混在させることで自身の絵画表現を成立させています。その線は時に、一度描いたモチーフの上をぐちゃぐちゃに消そうとしている線でもあり、また厚塗りにした絵の具部分も、一度描いたイメージの上から塗り直した痕跡のようにも見受けられます。それは、絵画特有の、一度描いたものを上から塗りつぶすことによって、再度描き直すことができるという隠れたレイヤーを、あえてすべて画面上に露出させている行為のように捉えられます。「認識するよりも前に立ち上がる印象と、そのものが持つ記号的意味を同等の価値でもって平面に存在させること。そして、異なるレイヤー同士が合わさり、変容し、転換される場としての絵画。これは、名前のあるものから名前を取り去るような、意味のないものを特別なものへと変える特異点を探るような行為です。」と大久保本人は語ります。その際に描かれるモチーフは主に人の形であり、それは自身の表現を通して人間の存在や実存を探る行為としても、大久保の中で重要な要素となっています。

現代においての「平面」とは、もはや触れることのできる紙やキャンバスや壁面にとどまらず、モニターやスマートフォンやタブレットなどのディスプレイと、その中に映し出される世界にも及ぶと考えられるでしょう。「無数の平面(ディスプレイ)に囲まれながら、時に私たちは目の前の現実と平面世界を混同し、その浅い空間での現象がまるで体験した出来事のように、または日常で出会うものや人がふと薄っぺらく感じるように、私たちの認識は平面と物体との間で揺れ動いています。」と大久保が言うように、私たちのモノや世界の知覚方法が変化してきた中で、果たして絵画を通して何が知覚されうるか、それを探る行為として新たな平面世界を構築する大久保紗也の新作群に、是非ご期待ください。

アーティスト
大久保紗也
Saya OKUBO