waitingroomでは2015年12月19日(土)から2月7日(日)(冬季休廊:2015年12月28日~2016年1月7日)まで、川内理香子の当ギャラリーでは初の個展『back is confidential space. Behind=Elevator』を開催いたします。人間の存在意義や関係性をテーマに、作家独自の「線」へのこだわりで表現される作品群は、ドローイング・ペインティング・針金やゴムチューブ・ネオン管など、メディアを横断して制作されます。1本の「線」というシンプルな形態にこそ宿る力強さを、川内作品は教えてくれます。本展では、ドローイング作品が約12点、ペインティング作品が約3点、針金やゴムチューブ作品が数点、ネオン管作品が2点、全て新作での発表を予定しています。
1990年東京都生まれ。現在多摩美術大学大学院美術学部絵画学科油画専攻在籍中の、新進気鋭の若手アーティストです。マネックス証券のプレスルームに作品を展示する公募プログラム「ART IN THE OFFICE」や、若手アーティストの活動を支援する公募展「Shiseido Art Egg」など著名な公募企画に次々と入選し、特に今年頭に開催された「Shiseido Art Egg」での個展では、Shiseido Galleryでも恐らく初の試みとなった、ドローイングのみの展示という意欲的な内容に挑戦したことが評価され、Shiseido Art Egg 賞も受賞しました。近年の展覧会としては、2015年『コレクターとアーティスト:川内理香子個展』(T-Art Gallery / 東京)、2014年『第1回CAF賞入賞作品展(保坂健二朗賞受賞)』(TABLOID GALLERY / 東京)が挙げられます。本展は、waitingroomでは初の川内の個展となります。
本展のタイトル『back is confidential space. Behind=Elevator』には、世界と世界の狭間の状況に興味を持っているという作家の想いが込められています。本人ステートメントの「エレベーターは目の前に後ろがある」という言葉がいうように、「後ろと前は同じ」「入口と出口は一緒」といった、世界の不可思議さを問う作家の考えが表現されています。もしも後ろ側の世界が全く別の世界につながっていたら・・・そこには、この世界の儚さと同時に新たな可能性につながる扉が描かれており、儚いからこその力強さが表現されています。1本の「線」を中心に、常に進化する川内の表現の可能性を、是非ご高覧下さい。
エレベーターと後ろはおんなじだ。
ただエレベーターは目の前に後ろがある。
Back is behind
Back is unconscious
Back is gravity
Back is regret
Back is childhood
Back is water
Back is ancient
Back is unrecognizable
Back is dream
Back is hole
Back is banality of evil
Back is society
Back is the truth
Back is the moment
Back is dazzling
Back is someone else’s viewpoint
Back is inside
Back is….
川内理香子(2015年11月)