川内理香子『Empty Volumes』

2021年11月27日(土)- 12月26日(日)
・営業日:水~土 12:00~19:00 / 日 12:00~17:00
・定休日:月・火・祝日

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プレスリリース
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WAITINGROOM(東京)では、2021年11月27日(土)から12月26日(日)まで、川内理香子の個展『Empty Volumes』を開催いたします。本展は、川内がこれまでにも取り組んできた針金やネオン管を用いたシリーズの新作のほか、粘土と鉄という新たな素材を用いた新シリーズを発表する、自身初の彫刻作品のみで構成される展覧会となります。2015年、多摩美術大学を卒業した年に行われた展覧会『Shiseido Art Egg Vol.9』において川内は、鉛筆と水彩絵の具で描いたドローイング作品のみで資生堂ギャラリーの広大な空間を埋め尽くし、鮮烈な印象を残しました。以降、ドローイングに見られる線を大きな特徴としながらも、油彩のペインティングをはじめ、ゴムチューブや樹脂、針金やネオン管を使った立体作品など、川内の表現方法や使用する素材は拡張し続けています。
本年8月、川内は、新進アーティストを対象とした寺田倉庫による現代アートアワード「TERRADA ART AWARD 2021」においてファイナリスト5組に選出されました。本展開催期間中の12月10日(金)から12月23日(木)まで、品川区の寺田倉庫 G3-6Fにおいて開催される『TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展』にも参加いたします。この機会にぜひ両展覧会をご高覧いただき、様々な素材で表される川内理香子の表現世界をお楽しみいただけましたら幸いです。


左:《Face》2021, clay, metal, 95 x 80 x 90 mm
右:《watching TV》2021, wire, pin on panel, 480 x 600 x 135 mm (photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!))

作家・川内理香子について
1990年東京都生まれ、2017年に多摩美術大学大学院美術研究科 絵画専攻油画研究領域を修了。現在は東京を拠点に活動中。食への関心を起点に、食事・会話・セックスといった様々な要素が作用し合うコミュニケーションの中で見え隠れする、身体と思考、自己や他者、それらの相互関係の不明瞭さを、多岐にわたるメディアを横断しながら表現しているアーティストです。近年の展覧会として、2021年個展『afterimage aftermyth』(六本木ヒルズA/Dギャラリー/東京)、2020年個展『drawings』(WAITINGROOM/東京・OIL by 美術手帖/東京)、個展『Myth & Body』(三越コンテンポラリーギャラリー/東京)、2019年グループ展『drawings』(ギャラリー小柳/東京)、2018年個展『human wears human / bloom wears bloom』(鎌倉画廊/神奈川)、個展『Tiger Tiger, burning bright』(WAITINGROOM/東京)などが挙げられます。2021年『TERRADA ART AWARD 2021』においてファイナリスト5組に選出されたほか、2015年『SHISEIDO ART EGG』参加の際はART EGG賞を、2014年『第1回CAF賞』では保坂健二朗を受賞。2022年3月開催予定の『VOCA展2022』出展作家にも選出されています。

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同時開催
『TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展』
会期:2021年12月10日(金) – 12月23日(木)※会期中無休
会場:寺田倉庫 G3-6F(〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社)
入場料:無料 
詳細:https://www.terradaartaward.com/finalist
※日時指定予約制

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左:《Lung》2021, clay, metal, 150 x 145 x 50 mm
右:《flowers》2021, wire, pin on panel, 1140 x 605 x 200 mm (photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!))

アーティスト・ステートメント
線を置くように描き、描くように置いていく。
その線は硬く、頑固で、わがままだ。
私は、その生きた線の声を聞きながら、それらをある着地点まで動かし、あるいは着地点にいつの間にか出会い、1つの景色を描き出す。
川内理香子

軽やかに身体をなぞり、貫く線がもつ重さを抱えて
食べることへの違和感と興味を起点に、多岐にわたるメディアを横断しながら作品制作を行う川内理香子。彼女が扱う素材は年々多様化し続けていますが、どの作品にも共通する特徴は、彼女の身体をもって生み出される線にあると言えるでしょう。まっさらなパネルや壁の上に、ドローイングを描くように軽やかに置かれる線は、針金やネオンといった素材そのものとしての物質感を持つと同時に、眼前の空間を区切る輪郭線となり、人体の一部や動物の姿を表します。「線で描かれた対象の彫刻的なボリューム、あるいは空間のボリュームをそこに見る。何もない空間だけど、そこには、今ここに立つ空間とは違う空間、あるいは物質感のようなものが確実にある」と彼女が言うように、輪郭線で囲まれた空間は、実際はただの「空間」であるにもかかわらず、その中にこそ、表されたモチーフの重みや肉感が存在するかのように感じられます。
こちら側へ張り出したドローイングの線のような針金、脈動のように電子が巡り続けることで光を放つネオン管、熱で融け、冷えると固まる鉄など、選びとる素材について川内は「その物質や素材に誘発されて出てくるイメージがある」と言います。様々な性質をもつ素材に自らの手で触れ、変形させていくことで、時に自身も思いもよらなかったイメージが引き出される。物質とコミュニケーションをとるかように、感覚的に関係性を変化させながら、自己と素材の間を何度も往来する。そのようなやりとりが凝固して完成する川内の作品の中には、軽やかな線と重みをもった肉感、自己と他者、身体と思考といった、一見相反するようなものが同時に存在しているのが分かります。それはまるで、一つの肉体の中に様々な矛盾を抱えたまま動き続ける、人間そのものの有り様にも通じることであると言えるでしょう。
本展の会期中に開催される『TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展』では、神話をモチーフに制作された、油彩のペインティング、針金の半立体作品、ネオン管の彫刻作品を発表いたします。両展覧会を通し、新たな素材やイメージに触れながら常に進化を続ける川内の現在地を、ぜひご高覧ください。


《face washing》2021, wire, pin on panel, 380 x 455 x 75 mm(photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!))

アーティスト
川内理香子
Rikako KAWAUCHI