Episode Seoul: Chapter 1 – Initials BB | Episode 1: 川内理香子『In Drawing』@Episode Seoul (ソウル、韓国)

2026年8月31日(月)- 10月17日(土)
・開廊時間:11:00-18:00
・定休日:日・月
・会場:Episode Seoul(4th Floor, 6 Dongho-ro 30-gil, Jung-gu, Seoul, Korea)
Organized by WAITINGROOM

・オープニングレセプション:8月31日(月)17:00–19:00
プレスリリース
PDF

WAITINGROOMは、ソウルの新しいプロジェクトスペース「Episode Seoul」にて川内理香子の個展「In Drawing」を開催いたします。Episode Seoulは、ソウルのアートシーンと国際的なアートコミュニティをつなぐことを目的に立ち上がる、新たなアートプロジェクトです。展覧会を中心としながらも、アーティストのスタジオ訪問、コレクターとの交流、食や建築、文化的な場所への訪問など、ソウルならではの体験を組み合わせ、国内外のアート関係者に向けて多層的な出会いと対話の場を生み出すプロジェクトとして構想されています。
こうしたEpisode Seoulの構想のもと、WAITINGROOMはその最初の年間プログラムとして「Episode Seoul: Chapter 1 ― Initials BB」をオーガナイズします。「Initials BB」は7つのエピソードで構成され、東京を拠点に活動する7名の女性ギャラリストが7名の女性アーティストをそれぞれ紹介し、それぞれの視点、関係性、実践を通して展覧会を構成していく1年間のプログラムです。各展覧会は独立した個展として成立しながらも、全体としてひとつのゆるやかな流れをつくり出し、アーティスト、ギャラリー、コレクター、観客のあいだに継続的な関係性を育んでいくことを目指します。本プログラムは、WAITINGROOMによる川内理香子展を皮切りに、KAYOKOYUKI、MISAKO & ROSEN、HAGIWARA PROJECTS、Satoko Oe Contemporary、ANOMALYなど、東京を拠点とするギャラリーの参加により展開される予定です。各ギャラリーがそれぞれの関係性と視点を通してアーティストを紹介することで、ソウルという場に新たな対話と交流を生み出していきます。


in my arms, 2023, watercolor and pencil on paper, 1100 × 840 mm

展覧会について
「Chapter 1」のオープニング展となる本展「In Drawing」では、川内理香子の制作において重要な位置を占めるドローイング作品に焦点を当てます。川内はこれまで、絵画、ドローイング、針金、ネオン、大理石、刺繍など複数のメディアを横断しながら、身体、内臓、食、欲望、生命の循環といったテーマを探求してきました。その中でもドローイングは、川内にとって思考や感覚がもっとも直接的に立ち上がる場所であり、線を通して身体の輪郭や、触れること、食べること、生きることへの感覚が繊細に現れるメディアです。本展では、身体、手、食べ物という三つのモチーフをゆるやかにゾーニングしながら、川内のドローイング作品を紹介します。身体を思わせる線は、しばしば輪郭として描かれながらも、特定の個体や姿に固定されることなく、内側と外側のあいだを漂うように現れます。手は、触れる、つかむ、支える、包むといった行為の痕跡として描かれ、身体と世界の接点を示します。そしてフルーツ、パン、ケーキなどの食べ物は、日常的で親密なモチーフでありながら、川内の作品の中では、欲望、記憶、栄養、変容、そして生命の循環を想起させる存在として立ち上がります。
川内のドローイングにおける線は、何かを明確に説明するためのものではなく、身体の内側にある感覚や、まだ言葉になる前の思考に触れるためのものです。紙の上に引かれた細い線と、水彩による滲みや色彩は、身体の一部、果実、顔、器官、あるいは感情のように見えながら、常に別のものへと移り変わっていきます。そこでは、見ること、触れること、食べること、考えることが互いに重なり合い、ドローイングという行為そのものが、身体と世界を結び直す場として現れます。
「In Drawing」というタイトルは、ドローイングを完成されたイメージとしてだけでなく、線の中に入り、身体や感覚が生成されていく過程として捉える視点を示しています。本展は、川内理香子の実践の根底にあるドローイングの力を通して、Episode Seoulの最初のプログラム「Chapter 1 ̶ Initials BB」の幕開けを告げる展覧会となります。


左:It will blossom from now on, 2024, watercolor and pencil on paper, 255 × 360 mm
中央:nap, 2025, watercolor and pencil on paper, 318 × 410 mm
右:Cardamom Danish Roll, 2026, watercolor and pencil on paper, 227 × 159 mm

作家・川内理香子について
1990年東京都生まれ。2017年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画コースを修了し、現在は東京を拠点に活動しています。近年の主な展覧会として、個展『The Blade of the Forest Within』(2026年・Gana Art Hannam / Gana Art Namsan・ソウル、韓国)、2人展『THE HEAD』(2026年・Edward Dwurnik Foundation・ワルシャワ、ポーランド)、グループ展『DONATED WITH LOVE』(2026年・ALBERTINA KLOSTERNEUBURG・ウィーン、オーストリア)、個展『The shape of water hardens into stone.』(2025年・黒部市美術館・富山)、グループ展『開館5周年記念展 ニュー・ユートピア―わたしたちがつくる新しい生態系』(2025年、弘前れんが倉庫美術館・青森)、個展『Paintings & Drawings – Food, Animals, Organs, Plants, Bodies, etc, everything outside me is everywhere in the air, I breathe them in, I breathe them out.』(2024年・Van der Grinten Galerie・ケルン、ドイツ)、グループ展『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』(2024年・東京都現代美術館・東京)、個展『Even the pigments in paints were once stones』(2023・WAITINGROOM・東京)、『The Voice of the Soul』(2023・ERA GALLERY・ミラノ・イタリア)、グループ展『Body, Love, Gender』(Gana Art Center・ソウル・韓国)、グループ展『アーツ前橋開館10周年記念展 ‒ New Horizon 歴史から未来へ』(2023・アーツ前橋・群馬)などが挙げられます。また、2014年『第1回CAF賞』では保坂健二朗賞、2015年『SHISEIDO ART EGG』参加の際はSHISEIDO ART EGG賞、2021年『TERRADA ART AWARD 2021』では寺瀬由紀賞、2022年『VOCA展2022 現代美術の展望 ‒ 新しい平面の作家たち -』では大賞のVOCA賞を受賞するなど、若手ながら確かな実力を持つ注目作家です。


個展『The Blade of the Forest Within』2026(Gana Art Hannam、ソウル・韓国)

アーティスト
川内理香子
Rikako KAWAUCHI