グループ展『マゼンタ色の友だち』

2012年6月23日(土)- 7月29日(日)
オープニングサロン:6月23日(土)18-21時

※会期中は、月曜17~23時および金・土・日曜 13~19時のオープンとなります。
※初日の6月23日(土)は、レセプション前も通常通り13時からオープンいたします。レセプションには作家も在廊します。
展示風景
作品
二艘木洋行 梨
2010
紙, カーボン紙, コピック, 水彩, 29.7 x 21 cm
二艘木洋行 梨
2010
紙, カーボン紙, コピック, 水彩, 29.7 x 21 cm
qp 無題
2011
紙にインク, 37.6 x 26.8 cm
qp 無題
2012
紙にインク, 色鉛筆, アクリル絵の具, 54x 38 cm
城戸熊太郎 プロミスフレンズ
2012
デジタルプリント, 35.5 x 43 cm
城戸熊太郎 こなごな
2011
ラムダプリント, 35.6 x 43.2 cm
プレスリリース
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このたび、waitingroomでは、6月23日(土)~7月29日(日)まで、二艘木洋行、qp、城戸熊太郎による『マゼンタ色の友だち』を開催いたします。本展は、二艘木とqpの2人の作家による3人展という、少々奇妙なかたちの展覧会です。

二艘木洋行は、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]での『インターネット アート これから – ポスト・インターネットのリアリティ』への参加が記憶に新しい、平面作品を中心に制作するアーティストです。二艘木は、2005年頃よりインターネットの『お絵描き掲示板(www.oekakibbs.com)』のペイントツールで描いた作品群で注目を集め、近年ではデジタル出力したものに直接手を加える手法で制作するなど、独自のスタイルを追及しています。『お絵描き掲示板』のロースペックな機能を逆手に取った歪んだ線によって生み出される、異形のモチーフやポップな彩色、たびたび現れるストライプや水玉のようなパターンなど、そのどれもがもはや「二艘木洋行的」としか言い得ない独特の世界観を作り出しています。

qpは、アクリル絵具やカラーインク等を用いて、主に人をモチーフとした絵画を制作しています。その身体は抽象化され、精霊もしくは影に近い、人ではなくその痕跡だけを描いたような儚さを持ち合わせています。それは制作の技法にも通じており、支持体にゆるやかにたまり、染み込んでいくような流動的な筆致が特徴です。それはどこか特定の場面ではなく、流れる記憶の中で一瞬だけ思い出すことの出来るような、そんな儚い風景を描いているように見えます。

2人は古くからの友人同士で、共に『お絵描き掲示板』を用いたデジタル作品を制作している、そして作品のモチーフが「人のようなもの」である、という共通点がありました。そんな2人のちょっとした遊び心と想像力から産まれたのが、城戸熊太郎というもう1人の架空の作家です。

二艘木洋行、qp、城戸熊太郎が、3人展という形でそれぞれの作品を発表するのは今回が初の試みです。waitingroomの空間でどのようなケミカルリアクションが起こるのか、この機会に是非ご高覧ください。

作家プロフィール

二艘木洋行
1983年生まれの「お絵描き」。2005年よりお絵描き掲示板を使った作品を展開、2010年より自身のレーベル「UNKNOWN POP」を始動。同レーベルから、2007~2010年に発表した作品をまとめた作品集『ポイフル的少女』を2011年にリリース。近年の主な個展に「りん公する庭」(フォスフォレッセンス, 2008年)、「直線・コピペ・リドゥ・塗りつぶし」(CULTIVATE, 2010年)、グループ展に「ポップで、キッチュで、フレンチで、キュートで、シュールで、スウィートで」(CULTIVATE, 2011年)、「イコノフォビア–図解の魅惑と恐怖」(愛知県美術館ギャラリー, 2011年)、「インターネット アート これから — ポスト・インターネットのリアリティ」(ICC -NTTインターコミュニケーション・センター, 2012年)があげられる。

qp
兵庫生まれ、東京在住の画家/イラストレーター。近年の主な個展に「それを見ている」(ガーディアン・ガーデン, 2007年)、「灯台へ」(新宿眼科画廊, 2008年)、「残す」(はちどり, 2011年)、グループ展に「ザ・チョイス大賞展」(竹尾見本帖本店, 2006年)、「第27回グラフィックアート・ひとつぼ展」(ガーディアン・ガーデン, 2006年」、「イコノフォビア–図解の魅惑と恐怖」(愛知県美術館ギャラリー, 2011年)が上げられる。また、自身のキュレーション企画として「べつの星」(Utrecht NOW IDeA, 2011年)を開催。イラストレーションの仕事としては、谷川俊太郎「二十億光年の孤独」「62のソネット+36」(ともに集英社文庫)、「真夜中」11号(リトルモア)表紙などがあげられる。

城戸熊太郎
qpと二艘木洋行のユニットとして2010年に結成。イラストレーション誌の「ザ・チョイス」(服部一成選)に、匿名作家として遊び心で応募しようとしたのがきっかけ。2011年春には、城戸熊太郎としては初の個展「こなごな」(ソーンツリーギャラリー)を開催し好評を博す。同じく2011年夏には、大型グループ展「in the waitingroom」(waitingroom)に参加。その名前の由来は、1893年に大阪府南東部、金剛山麓の赤阪水分村で起こった殺人事件、通称河内十人斬りの犯人の名前。この事件は芝居や小説になり、河内音頭に歌われ、ヒットしたらしい。町田康の小説「告白」の題材にもなっており、城戸熊太郎は主人公の名前。ユニット名を決める際に、qpがこの小説を読んでいたことから名付けられる。

アーティスト
二艘木洋行
Hiroyuki NISOUGI
qp
qp
城戸熊太郎
Kumataro KIDO